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放射線科医の現状

放射線科医の現状

日本では特に首都圏を中心に医師不足が叫ばれています。その現状は放射線科医についても同じことがいえるのです。

今や、放射線治療はガン診療において重要な治療法となっています。患者の状態やガンの進行状況から外科手術が行えない場合でも、患者への体の負担が少なく治療が行えるためです。この需要が将来的に増えていくことは当然です。しかしながら医師の数が国際的に見ても圧倒的に不足しているのが日本の現状なのです。医療は日進月歩高度化しており、医療機器についても常に発展をし続けています。

ここで奇妙な数字があります。日本のOECD26カ国でのデータによると放射線科医の数は26位中26位、そうビリなんです(実際には医師総数についても25位と国際的にもかなり不足しています)。いかしながら、ここが奇妙なのですがCTやMRIの台数は1位なのです。しかも断然のぶっちぎりで(前述のOECDデータによると、人口100万人当たりのCTの日本の設置台数は97台、2位のアメリカでも34代)。つまり、機器の多さ=検査の多さですから、検査数が多いにも関わらず、医師の数が圧倒的に不足しているのです。

また、放射線科医といっても、画像診断医よりも放射線治療医の方が必要とされているのが現実です。検査ではなく、治療を行える医師こそがこの国には必要なのです。医師がいなければ発達した医療も受けることはできません。患者さんにとってははがゆい思いをさせてしまいます。

放射線治療を受ける患者
Woman receiving Radiation Therapy Treatments for Cancer

これからの放射線科医の増加を期待しつつも、今は専門医不足・技術者不足のため、一部のガン専門医療機関や大学病院でしか受けることができない特殊な放射線治療も全国的に受けられるようになるはずです。もし転職を考えている地域医療に興味のある放射線科医がいるならドクタービジョンなどの医師求人サイトを使って、医師不足地域に転職の地を求めて頂くことで少しでも現状打破することができるかもしれません。

放射線検査機器は多いが、放射線科医は少ない、ちょっと奇妙な感じですよね。でも、日本の放射線医療の現状だということは揺らぎない事実なのです。